祝!サイト公開20周年 〜 20年目の更新あり! もし、この人の作品を聴いていなければ今こんなことをしていないだろう、というくらいの大きな存在、所謂 Favorite というような位置付けではなく、「音楽を制作する」という具体的な道を指し示してくれた、どちらかというと師匠的意味合いを持つ存在、僕の中では Brian Wilson がそれに当るが、もう一人、そうした意味で僕にとって決して外せない重要な方が、作曲家「山川恵津子」さんである。 彼女の曲を初めて耳にしたのは80年代後半、ちょうどアナログレコードとCDとの売上シェアが逆転し中古市場に大量にアナログ盤が溢れ始めた頃、懐かしさから「500円くらいなら良いか」と軽い気持ちで購入した「おニャン子クラブ」のレコードでだった。その頃の僕は自分自身のルーツを探している時期で、いろんなアーティスト、アイドルの楽曲を、これでもか、これでもか、と聴きまくっては取捨選択していた。その時購入した「おニャン子」のレコードでも当然その作業が行われたわけだが、なんとその結果、全ての曲が山川恵津子作品のみで占められてしまったのである。当然僕はそのことに大変驚き、山川恵津子さんとは何者ぞ、ということで、そこから山川恵津子作品探しの旅が始まった。休みともなれば今日はこちら、翌週はあちら、と東京じゅうの街へ出掛けて行き、中古レコードセールの店を見付けては飛び込んで、片っ端からレコードジャケットをひっくり返し「山川恵津子」の文字を探した。そうして出来あがった「山川恵津子・究極のベスト」テープは僕にとってのバイブルのひとつとなった。 山川恵津子さんの特徴は何と言っても、マイナーとメジャー7thを巧妙に組み合わせた哀愁のコード進行とそれに乗っかる哀愁のメロディだろう。定番進行も実に上手く使っている。歌というのは、コードに対するメロディラインに集約されてゆく、という基本を僕に教えてくれたのが Brian Wilsonと山川恵津子さんだったのだ。また山川さんはご自身の作曲、アレンジ作品ではキーボードとコーラスも担当されている。そこで選択されている音色がまた独特のもので、曲の良さを際立たせている。またその音色で演奏された裏メロ(対旋律)のフレーズも魅力的で主旋律を上手く補っている。ご自身の「Oo、Ah」系のコーラスも良い感じだ。 今でも僕は、彼女自身の個人データをまったく知らない。だが彼女の作品は、今も僕の身体に深く染み込んでいる。「山川恵津子」という作曲家の「素晴らしい作品」、これで十分である。 ここで僕が選んだ山川恵津子ベストSongを紹介し、僕自身の彼女に対するリスペクトとしたい。
★20年目の更新! みなさま長きに渡り当サイトをご覧頂き本当にありがとうございます。 この20年の間に私以上のマニアックな方々による充実の研究が行われ、山川恵津子さん作品も大勢の方々に知ってもらえる機会が増えて、私としてもとても嬉しく思います。 私個人も長崎アイドル MilkShake(ミルクセーキ) の作家となり、山川さんの得意としたアイドル楽曲に携わることで、改めて山川恵津子さん曲の素晴らしさを確認しているところであります。 この20年の間に新たな楽曲を知る機会もあり、その中で私好みな素晴らしい作品の発見もいくつかありました。サイトオープン20周年を記念いたしまして、その楽曲リストを追加したいと思います。
最後になりましたが 80年代のほとんどの山川恵津子さん曲にプログラマーとして参加されていた森達彦さんにはデータのご提供で大変お世話になりました。ありがとうございました。 また山川恵津子さんにも直接お目にかかる機会があり、当時のお話を聞かせていただくことができました。本当にありがとうございました! ■copyright (c) 2001-2021 karakawa makoto all rights reserved. |